日本時間2026年10月29日(木)午前2時ごろ(米国時間28日)、Windows 11の10月の「D」リリース(月末のオプション・プレビュー更新)が配信されました。25H2/26H2向けのKB5127936と、26H1向けのKB5127653の2本です。
目玉はKB5127936の右クリックメニュー(コンテキストメニュー)のカスタマイズと、Windowsが起動しなくてもクラウドから再インストールできるCloud rebuild。一方のKB5127653では絵文字17.0やCopilotキーの割り当て変更が入りました。
どちらも任意(オプション)の更新なので、自動ではインストールされません。新機能を早く試したい人向けで、通常は11月の月例更新(Bリリース)を待てば同じ内容が入ります。
※「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」がオンの場合は、自動的に適用されます。早速メインマシンに適用しました。

PR版(Release Preview)として2026年10月17日に提供されていたものが、一般提供された形です。
Windows 11 KB5127936 26300.9807 配信開始|右クリックメニューのカスタマイズ・Cloud rebuildなど新機能まとめ Insider Program RP
今回配信された更新プログラム
| KB番号 | 対象バージョン | OSビルド | 種別 |
|---|---|---|---|
| KB5127936 | Windows 11 26H2 | 26300.9818 | 2026-10 D(プレビュー) |
| KB5127936 | Windows 11 25H2 | 26200.9818 | 2026-10 D(プレビュー) |
| KB5127653 | Windows 11 26H1 | 28000.3365 | 2026-10 D(プレビュー) |
26H2と25H2は同じKB5127936で、ビルド番号の上4桁(26300 / 26200)が違うだけです。26H1だけは別のKBで、ビルドも28000系と大きく離れています。この理由は記事の最後の「補足」で解説します。
KB5127936(25H2 / 26H2)の主な新機能
以下は「段階的ロールアウト」の項目で、更新を入れてもすぐには表示されない場合があります。
右クリックメニューが自分好みにカスタマイズ可能に
今回いちばん大きな変更です。エクスプローラーの右クリックメニューが刷新され、表示が速く、すっきりしました。メニュー最下部の「メニューのカスタマイズ」から設定ページを開くと、次のことができます。
- 「送る」「ショートカットの作成」などの標準コマンドをオン/オフ
- 「印刷」などのコマンドを追加
- アプリの拡張項目をメインメニューに出すか、サブメニューにまとめるか、隠すかを選択
- 上部のアイコン列(切り取り・コピー・貼り付け・名前の変更・削除・共有)を文字のメニューとして表示
- 「プロパティ」をメニューの一番下へ移動
従来の全項目を見たいときは、Shiftキーを押しながら右クリックです。
エクスプローラー
- 検索結果に名前・場所・日付が揃ったレイアウトで表示され、見やすくなった
- アドレスバーで
~が使えるようになり、~\AppDataのようにユーザーフォルダへ直接移動できる - 「フォルダーオプション」ダイアログがダークモードに対応
回復機能:Cloud rebuild
Windowsが起動しない場合でも、Windows Updateからイメージとドライバーをダウンロードして再インストールできる新しい回復手段です。USBメディアは不要。
- Windows上から:設定 > システム > 回復 >「PCの再構築」
- 起動できない場合:WinRE(回復環境)のトラブルシューティング > 回復とアンインストール > Cloud rebuild
- ファイルを削除するだけでなく、ストレージの消去機能で完全消去(サニタイズ)も選べる。取り消し不可なので注意
あわせて、WinREがWindowsに保存済みのWi-Fiプロファイルを自動で再利用できるようになり、回復中もネットにつながりやすくなりました。
設定アプリ・タスクバー
- 「プライバシーとセキュリティ」ページで、カメラ・マイク・位置情報の設定がまとめて見やすく
- 設定ホームの「デバイス情報」カードの提供地域が拡大
- タスクバーのアイコン上をマウスで移動したときのプレビューのアニメーションを改善
- マルチモニター関連のタスクバー設定が、モニターの抜き差し後も保持されやすく
アクセシビリティ
- 拡大鏡:写真の色は保ったまま画面のまぶしさを抑える「コントラストテーマ」切り替えを追加
- 拡大鏡:モニターごとに倍率を変えられる「モニター別ズーム」と、表示位置を固定する「ビューポートロック」(Ctrl + Windows + K)
- ライブキャプション:スクリーンリーダーの音声を字幕に含めるかの設定(既定はオフ)
- ナレーター:Word・PowerPoint、Edge・Chromeで数式の読み上げとナビゲーションに対応
その他
- Xboxモード:ゲーム用タスクビューを刷新し、デスクトップへの切り替えや電源メニューにすぐ届く
- スマートフォン連携:スタートメニューの「最近」で、メッセージや通知の内容をマウスオーバーでプレビュー
- バッテリー:残量80%以上では休止状態に入りにくく、10%未満では早めに休止状態へ
- セキュリティ:対応PCでメモリ整合性(HVCI)が更新時に有効化される場合あり(既存のユーザー・管理者設定は尊重)
- IPv6:Wi-Fi/有線でIPv6 CLAT(464XLAT)に対応。IPv6のみのネットワークでもIPv4専用アプリが使える
- Unicode 17.0:新しい文字・文字体系の表示に対応
- DPAPI:プロンプト方式の保護操作に警告を表示。この方式は2027年4月に廃止予定
KB5127653(26H1)の主な新機能
26H1は新世代Arm PC向けのバージョンです(詳しくは補足で)。新機能の顔ぶれはKB5127936とかなり違います。こちらも段階的ロールアウトの項目です。
絵文字17.0に対応
「ゆがんだ顔」「けんかの煙」「毛むくじゃらの生き物」などの新しい絵文字が追加されました。Windowsキー + ピリオド(.)の絵文字パネルから入力できます。敬礼する顔、ガチョウ、ハスなど既存の絵文字のデザインも調整されています。
Copilotキーを右Ctrlやメニューキーに割り当て可能
Copilotキーを「右Ctrl」または「コンテキストメニュー」キーとして使える設定が追加されました。右Ctrlを使うショートカットに慣れている人にはうれしい変更です。
エクスプローラー
- Webからダウンロードしたファイルのプレビュー:HTMLは「プレビューする」ボタンで確認後に表示、PDFなどはそのまま自動でプレビュー
- ホーム画面のセクションの開閉状態を記憶
- 詳細ウィンドウでクラウドファイルのサムネイルが安定し、プロパティも見やすく再配置
タッチパッド・Bluetooth・壁紙
- タッチパッド:端から1本指で縦スクロール、指を端に寄せたまま続けられる自動スクロールを追加(設定 > Bluetoothとデバイス > タッチパッド)
- Bluetooth:通話中に本体ボタンで音量を変えるとフライアウトが表示、接続状態の表示精度向上、LE Audioや共有オーディオの安定性向上、0x139のクラッシュ修正など
- 壁紙:DIB形式の画像に対応、仮想デスクトップでスライドショーが使えるように、プレビューの解像度向上など
その他
- アクセシビリティ:アプリを常に最大化で開く「アプリを最大化して開く」を追加(設定 > アクセシビリティ > 視覚効果)
- 拡大鏡:ツールバーのアイコンや余白をWindows 11のデザインに合わせて刷新
- ウィジェット:Windowsの使い方を紹介する「ヒント」ウィジェットを追加(ロック画面にも置ける)
- カメラロールのバックアップ:設定からOneDriveへの写真バックアップを設定可能(スマホでQRコードを読み取って完了)
- 管理者保護:Windowsセキュリティ > アカウント保護からオンにできるように(数か月かけて順次展開)
- 設定アプリ:インストール済みアプリにパッケージアプリのバージョン番号を表示、時刻選択が12/24時間表示の設定に追従
- WinRE:保存済みWi-Fiプロファイルの自動再利用(KB5127936と共通)
- フォント:Ebrimaフォントがガライ文字・ベリア・エルフェ文字に対応
全員に配信される修正・改善(通常ロールアウト)
こちらは更新を入れれば全員に適用される項目です。多くは両KB共通ですが、一部は片方だけです。
| 項目 | 内容 | KB5127936 | KB5127653 |
|---|---|---|---|
| Microsoft Edge | 高速起動(Accelerated App Launch)に対応。PCが重いときでもEdgeが素早く開く(Edge 150以降) | ○ | ○ |
| リモートデスクトップ | 管理者保護が有効なPCへ一般ユーザーが接続できない問題(エラー0xC000000D)を修正 | ○ | ○ |
| Always On VPN | 9月のセキュリティ更新後に「接続中」のまま止まる問題を修正 | ○ | ○ |
| オーディオ | 一部AMDグラフィックスでHDMI/DisplayPortの音が出ない問題を修正 | ○ | ○ |
| WSL2 | AMD CPU搭載機で入れ子の仮想化が使えない問題を修正 | ○ | ○ |
| BitLocker | 起動前PINの再試行処理を改善し、TPMロックアウトによる回復画面を防止 | ○ | ○ |
| Windows PowerShell | 名前に「5.1」が付く(スタートメニューのショートカット名は旧名のままの場合あり) | ○ | ○ |
| スマートアプリコントロール | 一度オフにすると再度オンにできない(グレーアウト)問題を修正 | ○ | − |
| Windowsサンドボックス | 使用中にエラー0x80370106で終了する問題を修正 | ○ | − |
| スマートカード | PIVカードでRSA-3072鍵に対応 | ○ | − |
| タイムゾーン | カナダのブリティッシュコロンビア州・アルバータ州の通年夏時間、マニトバ標準時の追加 | − | ○ |
サービススタック更新(SSU)も同梱されています。KB5127936はKB5132402(ビルド26100.9815)、KB5127653はKB5133111(ビルド28000.3354)です。AIコンポーネント(画像検索、コンテンツ抽出、セマンティック分析、設定モデル)も更新されています。
既知の不具合
両KB共通で、USB Audio Class 1.0のオーディオ機器の問題が引き続き未解決です。9月8日のセキュリティ更新以降、デバイスマネージャーで「このデバイスを開始できません(コード10)」と表示される、音が出ない、音量操作が効かない、といった症状が出る場合があります。Microsoftは対応中としています。古いUSBオーディオ機器を使っている人は注意してください。
インストール方法
オプション更新なので、自分で入れる必要があります。
- 設定 > Windows Update > 詳細オプション > オプションの更新プログラムを開く
- 一覧からKB5127936(26H1の場合はKB5127653)を選んで「ダウンロードしてインストール」
- 再起動
手動で入れたい場合は、Microsoft Updateカタログからダウンロードできます(リンクは記事末尾)。
前提条件として、25H2/24H2では2025年6月10日以降の更新(KB5060842など)が適用済みである必要があります。
補足:26H1(28000系)と26H2(26300系)はなぜ別々に動いているのか
「バージョン名は26H2の方が新しいのに、ビルド番号は26H1の28000系の方が大きい。統合できずに並列で動いているの?」という疑問をGeminiに聞いてみた件です。結論から言うと、そのとおり、土台(OSコア)の違う2つの系統が並列で動いています。
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上の段が一般的なPCの系統、下の段が新世代Arm PCだけの系統です。2つは別の線路で、行き来はできません。
| 比較項目 | KB5127936(26300系) | KB5127653(28000系) |
|---|---|---|
| 対象バージョン | 26H2(25H2も同じKB) | 26H1 |
| 土台(開発コード名) | Germanium | Bromine |
| 成り立ち | 24H2(26100)→ 25H2(26200)→ 26H2(26300)と続く系統 | 新世代チップ向けに新しく用意された土台 |
| 主な対象PC | 既存のほぼすべてのPC(Intel / AMD / 初代Snapdragon X) | Snapdragon X2など新世代Arm搭載の新品PC |
なぜ1本にまとめないのか
- 新チップの発売に間に合わせるため:2026年に登場したSnapdragon X2などを正式にサポートするため、Microsoftは新しい土台(Bromine、28000系)を用意し、プリインストール専用の「26H1」として出荷しました。
- 既存PCの安定性を優先したため:秋の大型更新26H2にいきなり新しい土台を採用すると、膨大な数のIntel/AMD機で互換性問題が起きるリスクがあります。そこで26H2は、24H2/25H2と同じ実績のあるGermaniumのまま、イネーブルメントパッケージ(機能を有効化する小さな更新)でビルド番号を26300に上げる方式が採られました。25H2と26H2が同じKB5127936で更新されているのはこのためです。
その結果、「名前は26H2の方が新しいのに、ビルド番号は26H1の方が大きい」という逆転が起きています。26H1のPCが26H2の更新を受け取ることはなく、28000系の累積更新をそのまま受け続けます。
自分のPCはどっち?
IntelやAMDのPC、そして初代のSnapdragon X(X Elite / X Plus)搭載機は26300系です。初代Snapdragon Xは2024年に24H2(26100系)で出荷されたため、Intel/AMD機と同じ更新経路に乗っています。「2」が付くSnapdragon X2などの新世代機だけが28000系です。
確認したいときは、Windowsキー + Rで「winver」と入力すればビルド番号が表示されます。26200 / 26300で始まればKB5127936、28000で始まればKB5127653が対象です。
なお、見た目の新機能は両系統に順次届けられていますが、配信のタイミングや内容は必ずしも一致しません。今回も、絵文字17.0やCopilotキーの割り当て変更はKB5127653側にだけ記載され、右クリックメニューのカスタマイズやCloud rebuildはKB5127936側にだけ記載されています。
まとめ
今回のプレビュー更新は、KB5127936の右クリックメニューのカスタマイズとCloud rebuildが目玉です。右クリックメニューの項目が多すぎて困っていた人には待望の機能でしょう。ただしオプション更新なので、安定性重視なら11月の月例更新を待つのが無難です。USB Audio Class 1.0機器の不具合が未解決な点にも注意してください。
リンク
| KB | サポート記事 | Microsoft Updateカタログ |
|---|---|---|
| KB5127936(26H2 / 25H2) | KB5127936 | KB5127936をダウンロード |
| KB5127653(26H1) | KB5127653 | KB5127653をダウンロード |