Microsoftは2026年10月16日(現地時間)、Windows Insider ProgramのExperimentalチャネル向けに「Windows 11 Insider Experimental Preview Build 26340.9750」を配信しました。
今回のビルドは、Xboxモードのタスクビュー刷新、Windows Helloの顔認証が暗所で画面を明るくして認識を助ける新機能、Entraハイブリッド参加デバイスでのWeb サインイン対応といった新要素に加え、エクスプローラーや検索、新しい「ファイル名を指定して実行」ダイアログの不具合修正がまとまっています。
この記事では、変更点をひとつずつわかりやすく解説します。私も実機にて操作しています。

以下の機能が新たに備わり有効化して検証しました。

1. Cross Device Resume Improvement(デバイス間再開機能の改善)
既定のブラウザで開くか、元のモバイルブラウザをインストールすることで、スマートフォンで見ていたWebページをPC上でより簡単に引き継いで閲覧できます。
スマートフォンで閲覧していたWebページをPCへ引き継ぐ(レジュームする)機能が強化されました。PC側の既定のブラウザでそのまま開くことができるほか、スマホ側で使用していたブラウザがPCにない場合はインストールを促すなど、デバイスをまたいだブラウジングの移行がよりスムーズに行えるようになります。
2. Web sign-in for hybrid joined devices(ハイブリッド参加デバイス向けのWebサインイン)
WebサインインをMicrosoft Entraハイブリッド参加デバイスに拡張します。これは、通常のサインインオプションが利用できない場合に、パスキーなどのパスワードレス方式でサインインできるようにするWindowsロック画面のWebサインインオプションです。
Windowsのロック画面からパスキーなどのパスワードレス認証を使ってログインできる「Webサインイン」機能が、新たに「Microsoft Entra ハイブリッド参加デバイス」にも対応しました。通常のサインイン手段が使えない場面でも、柔軟かつセキュアにサインインできるようになります。
Build 26340.9750の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ビルド番号 | 26340.9750 |
| チャネル | Experimental |
| 配信日 | 2026年10月16日(米国時間) 2026年10月17日(土)午前2時 日本時間 |
| ベース | Windows 11 バージョン26H2(有効化パッケージ経由) |
なお、今回紹介する機能の多くは「段階的に展開中」のもの。アップデートしてもすぐに使えるとは限らず、一部のInsiderから順に有効化されていきます。
【ゲーム】Xboxモードのタスクビューが刷新
Xboxモードの「ゲーミングタスクビュー」がリニューアルされ、新しいナビゲーションバーが追加されました。このバーから「デスクトップに戻る(Exit to Desktop)」と「電源オプション」に直接アクセスできます。
これまでゲーム中にデスクトップへ戻ったり、PCをシャットダウン・スリープしたりするには操作がやや遠回りでした。コントローラー操作中心のXboxモードでこうした基本操作がすぐ呼び出せるのは、携帯型ゲーミングPCを使っている人にとって地味ながらうれしい改善です。

【Windows Hello】暗い部屋で画面を明るくして顔認証
個人的に今回いちばん実用的だと感じたのがこれ。Windows Helloの顔認証が、暗い部屋や照明の弱い場所でサインインするときに、一時的に画面の明るさを上げて認識を助けてくれるようになりました。
夜に照明を落とした部屋でノートPCを開くと、顔認証がなかなか通らない……という経験がある人は多いはず。画面そのものをライト代わりにする発想ですね。
設定方法
- 「設定」を開く
- 「アカウント」→「サインイン オプション」→「顔認識(Windows Hello)」を選ぶ
- 「顔認識中に画面の明るさを自動的に調整する(Automatically adjust screen brightness during face recognition)」をオンにする
※日本語の表記は英語版から訳したもので、実際の表示とは異なる場合があります。

【Webサインイン】Entraハイブリッド参加デバイスにも対応
こちらは主に企業・組織向けの変更です。これまでMicrosoft Entra参加デバイスでのみ使えた「Webサインイン」が、Microsoft Entraハイブリッド参加デバイスでも使えるようになりました。
ロック画面から次のようなパスワードレスの資格情報でWindowsにサインインできます。
- FIDO2セキュリティキー
- スマートフォンのパスキー
- 一時アクセスパス(TAP)
サインイン後はKerberosチケットが取得されるため、オンプレミスのファイル共有や社内サイトもこれまでどおり利用できます。オンプレのActive Directoryと併用している組織でも、パスワードレス化を進めやすくなりそうです。
【エクスプローラー】フォルダー表示の反応を改善
ファイルやフォルダーを追加・名前変更したとき、フォルダービューが正しく更新・並べ替えされるよう応答性が改善されました。「名前を変えたのに並び順が反映されない」といった細かなストレスが減りそうです。
【Windows検索】検索が消える・動かない問題を修正
前回のアップデート後に、検索が表示されなくなったり動作しなくなったりする問題の根本原因に対処したとのこと。検索アイコンを素早く連打した場合に起きるケースも含まれています。前回のビルドでこの症状に悩まされていた人は、今回のアップデートで改善が期待できます。
【ファイル名を指定して実行】新しいダイアログの不具合を修正
新しい「ファイル名を指定して実行(Run)」ダイアログが有効になっているInsider向けに、以下の改善が入りました。
- アラビア語・ヘブライ語の表示言語でのウィンドウ位置を改善
- 非常に大きなフォルダーへ移動するときのパフォーマンスを改善
- 起動直後に素早く入力すると、入力した文字が消えてしまうことがある問題を修正
- その他、細かな見た目の修正
「Win + R」を押してすぐコマンドを打ち込むクセがある人ほど、文字が消える問題の修正はありがたいはずです。
【その他】シャットダウンの信頼性向上など
- 特定の状況でシャットダウン時にフリーズする可能性を減らし、信頼性を向上
- バッテリー残量低下や権限関連など、一部のシステムメッセージのダイアログが再びモダンなデザインで表示されるように修正
Experimentalチャネル利用時の注意点
MicrosoftはInsider向けに、次の点をあらためて案内しています。
- 多くの機能は「Controlled Feature Rollout」で段階的に展開されるため、すぐに使えない場合がある
- デスクトップ右下の透かし表示は、プレリリースビルドでは正常な動作
- テスト中の機能は変更・削除される可能性があり、正式リリースされないこともある
- 開発中の機能はローカライズが不十分な場合がある(日本語表示がおかしい場合はフィードバックHubから報告可能)
どのチャネルにどのビルドが配信されているかは、Microsoftの「Flight Hub」で確認できます。
まとめ
Build 26340.9750は、大型の新機能というよりも「使い勝手の底上げ」が中心のアップデートです。なかでもWindows Helloの暗所サポートは、夜にノートPCを使う機会が多い人にとって実感しやすい改善。Xboxモードのナビゲーションバー追加も、携帯型ゲーミングPCユーザーには見逃せないポイントです。
段階的展開のため、自分の環境ですぐに使えるかはわかりませんが、Experimentalチャネルに参加している人は「設定」→「Windows Update」から更新を確認してみてください。
参考: Windows 11 Insider Experimental Preview Build 26340.9750(Microsoft Learn)