【KB5134133】Windows 11に緊急の臨時更新(OOB)が配信。対象は「証明書を自動更新できないPC」だけ
2026年10月27日(火)早朝(日本時間)、MicrosoftはWindows 11向けに帯域外(OOB:Out-of-band)更新プログラムを公開しました(米国時間では10月26日)。対象はWindows 11 24H2/25H2/26H2(KB5134133)、26H1(KB5134134)、23H2(KB5134130)です。
「緊急の臨時更新」と聞くと身構えますが、今回はセキュリティ以外の更新です。しかもインストールが必要なPCはかなり限られています。家庭や一般的なオフィスでインターネットにつながっているPCなら、基本的に気にしなくて大丈夫です。
この記事では、何が変わったのか、誰が入れるべきなのかを分かりやすく整理します。
まずは結論:ほとんどの人は「何もしなくてOK」
- 今回のOOBは、証明書信頼リスト(CTL)を自動で受け取れないPC向けの更新です
- Windows Updateには配信されません。入手先はMicrosoft Updateカタログのみです
- インターネットにつながっていて、Windowsが証明書を自動更新している普通のPCは対象外です
- 10月13日の月例更新(KB5127648など)を入れていれば、それ以外の修正内容は同じです
今回配信された更新プログラム一覧
| バージョン | KB番号 | 更新後のビルド | 元になった10月月例更新 |
|---|---|---|---|
| Windows 11 26H2 | KB5134133 | 26300.9725 | KB5127648(26300.9711) |
| Windows 11 25H2 | KB5134133 | 26200.9725 | KB5127648(26200.9711) |
| Windows 11 24H2 | KB5134133 | 26100.9725 | KB5127648(26100.9711) |
| Windows 11 26H1 | KB5134134 | 28000.3237 | KB5127646(28000.3231) |
| Windows 11 23H2 | KB5134130 | 22631.7654 | KB5126653(22631.7652) |
24H2・25H2・26H2は共通のKB5134133で、ビルド番号の末尾(.9725)がそろっています。26H1と23H2は別のKB番号で配信されています。
そもそも「OOB(帯域外)更新」とは?
Windowsの更新は通常、毎月第2火曜日(日本では水曜日)の「月例更新」と、月末ごろの「プレビュー更新」で配信されます。
OOB更新は、このスケジュールの外で臨時に出される更新のことです。重大な不具合の修正や、急ぎで届ける必要があるものがあるときに使われます。
ちなみにWindows 11 24H2/25H2では、2026年に入ってから1月(2回)、3月(2回)、7月、9月にもOOB更新が出ていて、今回が今年7回目です。
何が変わったの?:信頼されたルート証明書の更新
今回の変更点は、実質的に1つだけです。
[証明書] Microsoftの証明書更新サービスにアクセスできないPCや、証明書信頼リスト(CTL)の自動更新を無効にしているPC向けに、最新の信頼されたルート証明書をWindowsの累積更新プログラムに同梱しました。
証明書信頼リスト(CTL)って何?
Webサイトへの安全な接続(HTTPS)やソフトウェアの署名確認では、Windowsが「どの認証局を信頼してよいか」のリストを持っています。これが証明書信頼リスト(CTL)です。「信頼してはいけない証明書」のリストも含まれます。
普通のPCでは、Windowsが裏側でMicrosoftのサーバーから自動的に最新リストを取得しています。そのため、ユーザーが意識することはありません。
では、なぜ今回の更新が必要なのか
自動取得ができない環境があるからです。Microsoftは具体例として次のようなPCを挙げています。
- インターネットから切り離された環境(閉域網・工場・研究施設など)のPC
- Microsoftの証明書更新サービスに接続できないPC(ファイアウォールなどで遮断されている)
- CTLの自動更新をポリシーで無効化しているPC
こうしたPCは証明書リストが古いままになりやすく、新しい証明書が信頼されなかったり、失効した証明書を信頼し続けたりする恐れがあります。今回のOOBは、証明書の中身を累積更新プログラムに入れて直接届けるためのものです。
そのほかの更新内容
10月月例更新の修正をすべて含む
累積更新なので、10月13日の月例更新(24H2〜26H2はKB5127648、26H1はKB5127646、23H2はKB5126653)の修正もすべて含まれます。月例更新を適用済みのPCは、差分だけがダウンロードされます。
AIコンポーネントの更新(24H2/25H2/26H2・26H1)
次のAIコンポーネントがバージョン1.2608.951.0に更新されます。
- 画像検索(Image Search)
- コンテンツ抽出(Content Extraction)
- セマンティック分析(Semantic Analysis)
- 設定モデル(Settings Model)
サービススタック更新(SSU)
Windows Updateのインストール処理を安定させるSSUも同梱されています。
| バージョン | SSU |
|---|---|
| 24H2/25H2/26H2 | KB5127647(26100.9703) |
| 26H1 | KB5127645(28000.3225) |
| 23H2 | KB5126652(22621.7641) |
入手方法:Microsoft Updateカタログのみ
今回のOOBは、Windows Updateには表示されません。必要な場合は、Microsoft Updateカタログから手動でダウンロードしてインストールします。
- KB5134133(24H2/25H2/26H2):https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=KB5134133
- KB5134134(26H1):https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=KB5134134
- KB5134130(23H2):https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=KB5134130
インストール前の前提条件
- 24H2/25H2:2025年6月10日以降の更新(KB5060842など)が適用済みであること
- 23H2:2025年7月8日以降の更新(KB5062552など)が適用済みであること
- 共通:最新のSSUが適用済みであること
管理者向けの注意:boot.stlファイル
既存のWindowsイメージに動的更新として適用する場合、インストールメディアにboot.stlファイルを含める必要があります。含めないと、メディアから起動できずエラー0xc0430001が出る可能性があります。boot.stlはセキュアブートの検証で使われ、イメージのバージョンとアーキテクチャに合わせる必要があります。
Microsoftが推奨する方法は「Update WinPE」スクリプトの利用です。手動で行う場合は、デバイスのWindows\Boot\EFIフォルダーからメディア側の対応フォルダーにboot.stlをコピーします。
既知の問題(24H2/25H2/26H2)
今回のOOB固有の問題ではなく、以前の更新から引き継がれている問題も含みます。
① スマート アプリ コントロールをオンにできない
更新後、一部のPCで、Windows セキュリティアプリのスマート アプリ コントロールを有効にするオプションがグレー表示になる場合があります。すでにオンになっているPCは影響なしで、保護も維持されます。
回避策(個人PC):管理者としてコマンドプロンプトを開き、次の2行を実行してから再起動します。作業前にレジストリのバックアップを取っておきましょう。
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Policies\Microsoft\FeatureManagement\Overrides" /v 2883193997 /t REG_DWORD /d 1 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Policies\Microsoft\FeatureManagement\Overrides" /v 2850574478 /t REG_DWORD /d 1 /f
企業の管理PC向けには、専用のグループポリシー(2種類)も用意されています。両方をインストールして「有効」にする必要があります。根本的な修正は今後の更新で提供予定です。
② 管理者以外のユーザーでリモートデスクトップ接続が失敗する(エラー0xC000000D)
2026年9月のプレビュー更新(KB5124010)以降で発生しています。「管理者保護(Administrator protection)」を有効にしたPCに、管理者以外のユーザーがリモートデスクトップで接続できない場合があります。エラー0xC000000Dとともに、「関数に渡されたトークンが無効です」という意味のメッセージが表示されます。
主に影響を受けるのは企業で管理されているPCです。Windowsセキュリティベースラインを使っている組織では、24H2/25H2/26H2で管理者保護が既定で有効になっているので要注意です。
回避策:IT管理者がIntuneまたはグループポリシーで「管理者承認モードのユーザーアカウント制御の種類」ポリシーをリセットし、管理者保護を一時的にオフにします。
③ USBオーディオデバイスが起動しない・音が出ない
2026年9月8日のセキュリティ更新以降、一部のUSB Audio Class 1.0対応デバイスで次の症状が出ることがあります。
- デバイスマネージャーで「このデバイスを開始できません(コード10)」
- 音が出ない
- 音量調整が反応しない、またはゼロのまま
- サウンド設定が応答しない
8チャンネルや3Dオーディオモードで発生する症状は、9月14日のOOB(KB5129195)で解決済みです。それ以外の症状は現在も対応中です。2チャンネルモードに切り替えると音が戻ったという報告もあります。
KB5134134(Windows 11 26H1)について
26H1向けのKB5134134も、中身はKB5134133と同じ位置づけです。
- 目的:CTLを自動取得できないPC向けに、信頼されたルート証明書を同梱
- ベース:10月13日のKB5127646(28000.3231)の修正を含む
- AIコンポーネント:1.2608.951.0に更新(画像検索、コンテンツ抽出、セマンティック分析、設定モデル)
- SSU:KB5127645(28000.3225)を同梱
- 入手先:Microsoft Updateカタログのみ
既知の問題は、上記の②リモートデスクトップ(0xC000000D)と③USBオーディオの2件です。①スマート アプリ コントロールの問題は、26H1のページには記載されていません。なお26H1のUSBオーディオ問題は、9月14日のOOB(KB5129194)で一部解決されています。
KB5134130(Windows 11 23H2)について
23H2向けのKB5134130も、目的は同じく証明書の同梱です。
- ベース:10月13日のKB5126653(22631.7652)の修正を含む
- SSU:KB5126652(22621.7641)を同梱
- AIコンポーネント更新:なし(23H2はCopilot+ PC向けAI機能の対象外のため)
- 既知の問題:現時点でなし
- 入手先:Microsoft Updateカタログのみ
なお23H2へのアップデートには、有効化パッケージ(EKB)のKB5027397を使うよう案内されています。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | セキュリティ以外の帯域外(OOB)累積更新 |
| 主な変更 | 信頼されたルート証明書を更新プログラムに同梱 |
| 対象PC | CTLの自動更新を受け取れないPC(閉域網・接続制限・自動更新無効) |
| 配信方法 | Microsoft Updateカタログのみ(Windows Updateでは配信なし) |
| 一般ユーザー | 基本的に対応不要 |
今回のOOBは、インターネットから隔離された環境を管理しているIT担当者向けの更新と考えてよいでしょう。個人のPCでは、いつも通り月例更新を適用していれば問題ありません。
ただし、既知の問題(スマート アプリ コントロール、リモートデスクトップ、USBオーディオ)は10月の月例更新でも同じように発生します。思い当たる症状がある場合は、上記の回避策を試してみてください。