今回の提供ビルドの概要
Microsoftは日本時間2026年10月24日(土)1時56分(米国時間10月23日)、Windows Insider Programの各チャネルに合わせて5つのビルドを公開しました。
一見すると大量の新機能が登場したように見えますが、整理すると構図はシンプルです。本当の意味での新機能が入ったのは「Experimental 26H2(Build 26340.9767)」のみです。ほかの4ビルドに書かれている「新機能」は、これまでExperimental 26H2で先行テストされてきた機能が、各チャネルへ移植されたものです。
| チャネル | ビルド番号 | 位置づけ |
|---|---|---|
| Experimental 26H2 | 26340.9767 | 今回唯一の新情報 |
| Experimental (Future Platforms) | 29695.1001 | 26H2からの移植+不具合修正 |
| Experimental 26H1 | 28120.3302 | 26H2からの移植 |
| Beta 26H1 | 28020.3292 | 26H2からの移植(Unicode 17.0のみ) |
| Beta(25H2) | 26220.9757 | 26H2からの移植 |
Windows Insiderの新機能は、まずExperimental 26H2で試されます。評価が良いものから他のチャネルへ降りてくる流れが定着しています。今回はその「最先端」と「移植先」が同じ日に一斉に公開されました。そのため、同じ機能が複数のリリースノートに重複して登場しています。

補足:ビルド番号の「*」の意味
Microsoftの「Flight Hub」(各チャネルの最新ビルド一覧ページ)では、ビルド番号の横に「*」が付いていることがあります。これは、有効化パッケージ(イネーブルメントパッケージ)を使って配信されているビルドという意味です。
有効化パッケージとは、OSを丸ごと入れ替えるのではなく、すでにPCに入っている新機能のスイッチをまとめてオンにする小さな更新プログラムです。Microsoftは毎月の更新で、次のバージョンの機能をオフの状態で先に配っています。そこに有効化パッケージを当てると、眠っていた機能が使えるようになり、同時にビルド番号も上がります。
今回のビルドで言うと、次のような関係になっています。
| ビルド | 土台となるバージョン | 有効化パッケージ適用後 |
|---|---|---|
| Experimental 26H2:26340.9767* | 25H2(Build 26200) | 26300台に番号が上がる |
| Beta(25H2):26220.9757* | 25H2(Build 26200) | 26220に番号が上がる |
| Experimental 26H1:28120.3302* | 26H1(Build 28000) | 28120に番号が上がる |
| Beta 26H1:28020.3292* | 26H1(Build 28000) | 28020に番号が上がる |
つまり、番号が違っていても、26H2とBeta(25H2)の土台は同じ25H2です。家を建て替えるのではなく、設置済みの照明のスイッチを入れるようなものだとイメージすると分かりやすいでしょう。
この方式のおかげで、大型アップデートでも再起動1回の短時間で更新が終わり、アプリやドライバーの互換性トラブルも起きにくくなっています。一方で、機能のプログラム自体は25H2にも配られているため、「26H2の新機能だと思っていたら25H2でも使えた」ということが起こるのもこの仕組みによるものです。
なお、Release Previewの26200.8968などには「*」が付いていません。これらは有効化パッケージを介さない、ベース番号そのままのビルドです。
主役:Experimental 26H2(Build 26340.9767)
今回の新機能はこのビルドに集中しています。詳細は昨日の記事で解説していますので、ここでは要点のみまとめます。
- クイック設定に「モバイルデバイス」:接続中のスマホのおやすみモード・着信音モード切り替え、スマホを鳴らして探す、バッテリー確認
- クイック設定に「スピードテスト」:ブラウザを開かず、Windows内で回線速度を測定
- 拡大鏡:Windowsキー+プラスのショートカットをオフにできるトグル
- Microsoft 365:定期請求を設定アプリから再開
- エクスプローラー:ネットワークドライブ読み込み時の進捗表示を改善
- ナレーター:数式読み上げの対応言語を追加
- ウィジェット:ピッカーを標準ダイアログ枠に統一
- Insider設定:機能フラグを有効状態で絞り込み
- 不具合修正:タスクバーが表示されない問題、ログイン時の誤ったパスワードエラー
▶ 詳しくは『PCからスマホを鳴らせる!Windows 11のクイック設定に「スマホ操作」と「速度テスト」が登場【Build 26340.9767】Experimental 26H2』
https://pc.asobu.co.jp/windows11-build-26340-9767/
他のチャネルは26H2からの移植
ここからは、Experimental 26H2以外の4ビルドです。いずれも過去のExperimental 26H2で登場済みの機能が中心です。26H2を追いかけている人にとっては目新しさはありません。どの機能がどのチャネルまで降りてきたかを確認する意味で整理します。
Experimental (Future Platforms):Build 29695.1001
- 拡大鏡のコントラストテーマ:写真や動画の色はそのままに、画面のまぶしさだけを抑えるトグル(26H2ではBuild 26340.9502で登場)
- ファミリーセーフティ:年齢制限でアプリがブロックされた際のメッセージ改善
- Windowsセットアップ:ペアレンタルコントロールの案内を改善
このチャネル独自の内容は不具合修正です。主な修正は次の3つです。
- 直近2回の更新でインターネットに接続できなくなる問題
- Hyper-VのLinux VMでPlan9共有フォルダーが見えない問題
- VMwareで
PFN_SHARE_COUNTのグリーンスクリーンが頻発する問題
Experimental 26H1:Build 28120.3302
26H1系としては移植された機能が最も多いビルドです。
- スタートメニュー:サイズを「自動/小/大」から選択、「おすすめ」が「最近」に名称変更、名前とプロフィール画像の非表示、ピン留め・最近・すべてを個別に表示/非表示
- デスクトップアプリごとのカメラ・マイク・位置情報の許可管理(26H2ではBuild 26340.9233で登場)
- 設定 > システム > 回復にクラウドリビルドの入口を追加(26H2ではBuild 26300.8772で初登場)
- エクスプローラー:ホームの「おすすめ」のサムネイルを鮮明化
- 拡大鏡:コントラストテーマ、ディスプレイごとに別々のズーム倍率、Ctrl+Windows+Kでビューを固定
- Unicode 17.0の文字表示に対応
Beta 26H1:Build 28020.3292
- Unicode 17.0の文字表示に対応のみ
内容はごくわずかで、Experimental 26H1に入った機能の一部が先に降りてきた形です。
Beta(25H2):Build 26220.9757
- エクスプローラーの新しい右クリックメニュー:トップレベルの項目を整理し、表示する項目を設定でカスタマイズ可能に
- 設定のホーム画面の読み込み高速化
一般向けに最も近い25H2系のBetaに、刷新された右クリックメニューが降りてきたのは注目点です。正式版への搭載が近づいたと見てよいでしょう。
共通の既知の問題
Future Platforms、Experimental 26H1、Beta 26H1の3ビルドで、Recallの不具合が報告されています。一部のCopilot+ PCでクリーンインストールすると、Recallが見つからない、または起動できない問題です。Copilot+ PCでクリーンインストールを予定している方は注意してください。
まとめ
10月23日の一斉公開は、リリースノートの数こそ多いものの、新しい情報はExperimental 26H2のBuild 26340.9767だけです。他の4ビルドでは、26H2で先行テストされた機能が順番に降りてきている段階です。拡大鏡のコントラストテーマ、アプリごとのプライバシー管理、クラウドリビルドなどがその例です。
最新機能をいち早く試したいならExperimental 26H2、正式版に近い状態で使いたいならBetaという選び方は今後も変わりません。当ブログでは引き続きExperimental 26H2を中心に追いかけていきます。
参考
- Windows 11 Insider Experimental Preview Build 26340.9767(Microsoft Learn)
- Experimental (Future Platforms) Build 29695.1001
- Experimental (26H1) Build 28120.3302
- Beta (26H1) Build 28020.3292
- Beta Build 26220.9757