今週配信されたビルド一覧
Microsoftは日本時間2026年10月31日午前2時ごろ(米国時間10月30日)、Windows Insider Program向けに5本のビルドを公開しました。あわせて、法人向けにフィードバックHubの新しいポリシーも発表しています。
| チャネル | ビルド | ベース | 主な内容 | リリースノートURL |
|---|---|---|---|---|
| Beta | 26220.9836 | 25H2 | アプリごとのカメラ・マイク・位置情報の許可、拡大鏡ショートカットのオン/オフ | https://learn.microsoft.com/en-us/windows-insider/release-notes/beta/preview-build-26220-9836 |
| Experimental | 26340.9843 | 26H2 | 新しいWindows検索の拡張、XBOXモードのクイック設定(別記事で解説) | https://learn.microsoft.com/en-us/windows-insider/release-notes/experimental/preview-build-26340-9843 |
| Beta (26H1) | 28020.3382 | 26H1 | 検索ホームの簡素化、Cloud rebuildのデータ消去、新しい自動再生画面 | https://learn.microsoft.com/en-us/windows-insider/release-notes/beta-26h1/preview-build-28020-3382 |
| Experimental (26H1) | 28120.3393 | 26H1 | 新しいWindows検索の拡張、エクスプローラーの改善、自動再生画面の刷新 | https://learn.microsoft.com/en-us/windows-insider/release-notes/experimental-26-h1/preview-build-28120-3393 |
| Experimental (Future Platforms) | 29698.1000 | 将来のプラットフォーム | アプリごとのカメラ・マイク・位置情報の許可、タスクバーの修正 | https://learn.microsoft.com/en-us/windows-insider/release-notes/experimental-future-platforms/preview-build-29698-1000 |
結論から言うと、新機能として注目すべきなのはExperimental 26H2のBuild 26340.9843だけです。そちらは別記事で詳しく解説しています。ほかの4本は、26H2で先にテストされた機能をそれぞれのバージョンに移植した内容が中心なので、自分が使っているチャネルの分だけ確認すれば十分です。
補足:ビルド番号の「*」の意味
Microsoftの「Flight Hub」(各チャネルの最新ビルド一覧ページ)では、ビルド番号の横に「*」が付いていることがあります。これは、有効化パッケージ(イネーブルメントパッケージ)を使って配信されているビルドという意味です。
有効化パッケージとは、OSを丸ごと入れ替えるのではなく、すでにPCに入っている新機能のスイッチをまとめてオンにする小さな更新プログラムです。次のバージョンの機能はオフの状態で先に配られていて、有効化パッケージを当てると使えるようになり、ビルド番号も上がります。
今回のビルドでは、次のような関係になっています。
| ビルド | 土台となるバージョン | 有効化パッケージ適用後 |
|---|---|---|
| Experimental 26H2:26340.9843* | 25H2(Build 26200) | 26300台に番号が上がる |
| Beta(25H2):26220.9836* | 25H2(Build 26200) | 26220に番号が上がる |
| Experimental 26H1:28120.3393* | 26H1(Build 28000) | 28120に番号が上がる |
| Beta 26H1:28020.3382* | 26H1(Build 28000) | 28020に番号が上がる |
つまり、番号が違っていても、26H2とBeta(25H2)の土台は同じ25H2です。家を建て替えるのではなく、設置済みの照明のスイッチを入れるようなものとイメージすると分かりやすいでしょう。
この方式なら、大型アップデートでも再起動1回で更新が終わり、アプリやドライバーの互換性トラブルも起きにくくなります。一方で、機能のプログラム自体は25H2にも配られているため、「26H2の新機能だと思ったら25H2でも使えた」ということも起こります。
なお、Release Previewの26200.9807などには「*」が付いていません。これらは有効化パッケージを介さない、ベース番号そのままのビルドです。Future Platformsの29698.1000もFlight Hub上は「*」付きですが、正式版のWindowsとはひもづかない開発版のため、土台となるバージョンは示されていません。

Build 26220.9836(Beta / 25H2):アプリごとにカメラ・マイクを許可
デスクトップアプリのプライバシー設定が細かくなった
これまでデスクトップアプリのカメラ・マイク・位置情報は、全アプリまとめてオン/オフする仕組みでした。今回から、アプリ1つずつ許可・拒否を選べます。
- 設定場所:「設定 > プライバシーとセキュリティ > カメラ」「マイク」「位置情報」
- まだアクセスしたことがないアプリは、初めて使うときに許可を求めてきます
- これまでの許可・拒否はそのまま引き継がれ、操作は不要です
- 企業のポリシー設定もこれまでどおり有効です
一部のアプリは、想定と違う名前で表示されたり、発行元を確認できない場合に「署名なし」と表示されたりします。知らないアプリには許可を出さないようにしましょう。

拡大鏡のショートカットをオフにできる
「設定 > アクセシビリティ > 拡大鏡」に、「Windowsキー+プラス(+)」で拡大鏡を起動するかどうかのスイッチが追加されました。初期設定はオンのままです。
うっかり拡大鏡が立ち上がる人や、ほかのアプリのショートカットとぶつかる人はオフにできます。オフにしても、設定アプリからは拡大鏡を使えます。

そのほかの改善と修正
- セキュリティキーのPIN入力:サインイン画面の「他のユーザー」アイコンがなくなり、わかりやすくなりました
- エクスプローラー:ホームの「おすすめ」に出るファイルのサムネイルが鮮明になりました
- ナレーター:数式の読み上げ対応言語に、ロシア語・ポーランド語・スウェーデン語など8言語が追加されました
- 不具合修正:マウス設定で落ちる問題と、再起動すると壁紙が既定に戻る問題が直りました
- デザイン:起動・サインイン時などのドーナツ型スピナーを、不具合修正のため一時的に元に戻しています
Build 28020.3382(Beta / 26H1):検索とリカバリーを改善
26H1は、特定の新しいチップを搭載したPC向けのバージョンです。今回は検索、Cloud rebuild、自動再生の3つが中心です。
検索ホームがすっきり
- 検索ホームの見た目がシンプルになり、最近の検索にすぐ戻れるようになりました
- 結果が「アプリ」「設定」「ファイル」「Web」「Microsoft Store」のどれなのかが、わかりやすく表示されます
- 「設定 > プライバシーとセキュリティ > 検索」で、Webの結果やStoreの候補をローカルの結果と一緒に出すかどうかを選べます
Cloud rebuildでドライブのデータを消去できる
Cloud rebuildは、クラウドから取得したイメージでWindowsを入れ直し、PCを正常な状態に戻す機能です。今回、次の2つが加わりました。
- データ消去:回復環境(WinRE)で、PCを使い続けるなら「ファイルを削除」、譲渡・返却・廃棄するなら「ファイルを削除してドライブをクリーンアップ」を選べます。ドライブの機能で確実に消去し、元には戻せません
- IT管理者向け:Cloud rebuildを遠隔で設定・実行できるようになりました

自動再生(AutoPlay)の画面が新しく
USBメモリーやスマホ、カメラをつないだときに出る自動再生の画面が、Windows 11らしいデザインになりました。ダークモードに対応し、文字サイズや画面設定にも合わせて表示されます。通知はアクションセンターに残るようになりました。

以前のバージョン(現在26H2)を確認すると、ダークモードであっても以下のように白いです。正直、比べないと分かりません💦

そのほか
- 細かな改善と修正がまとめて入っています
- 25H2版と同じく、ドーナツ型スピナーを一時的に元に戻しています
Build 28120.3393(Experimental / 26H1):新しい検索とエクスプローラー改善
26H1のExperimental版には、メイン記事で紹介した新しいWindows検索の機能が入りました。そのほか、エクスプローラーやセキュリティ面の改善もあります。
- 新しいWindows検索:音量・明るさ・カーソルサイズのスライダー、スマホ連携での電話・SMS、ファイルのプレビュー、結果フィルターなど(内容はBuild 26340.9843と同じ)
- XBOXモード:Gaming Task Viewの見た目が新しくなりました
- エクスプローラー:ホームの表示が速くなったほか、ファイルサイズの単位がわかりやすくなり、「おすすめ」がタッチでスクロールできるようになりました。フォルダーをマウスの中ボタンでクリックすると、新しいタブで開けます
- データ保護API(DPAPI)の警告:一部の操作が今後廃止されるため、実行前に警告が出るようになりました
- セキュリティキーのPIN入力:「他のユーザー」アイコンがなくなりました
- Cloud rebuild・自動再生:Beta (26H1)と同じく、データ消去の追加と自動再生画面の刷新が入っています
- デザイン:ドーナツ型スピナーを一時的に元に戻しています
Build 29698.1000(Experimental / Future Platforms):アプリごとの許可に追いつく
Future Platformsは、まだ発表されていない将来のハードウェア向けにテストするチャネルです。正式版のWindowsとは直接ひもづいていません。
- アプリごとのカメラ・マイク・位置情報の許可:ほかのチャネルで先に入っていた機能が、このチャネルにも来ました
- タスクバー:ディスプレイ構成を変えたときに、タスクバーの設定が保持されるよう修正されました
- エクスプローラー・安定性:細かな改善と安定性の向上が入っています
法人向け:フィードバックHubの投稿を社内だけに限定できる
法人向けに、Intuneの新しいポリシーが追加されました。有効にすると、社内(テナント)のユーザーがフィードバックHubで送ったフィードバックを非公開にできます。
- 一般公開のコミュニティには投稿されません
- 閲覧できるのはMicrosoftと、同じ組織(テナント)のユーザーだけです
- 組織の外のユーザーとは共有されません
社内システムの情報を含むフィードバックを送りたい企業でも、安心してInsiderプログラムを使えるようになります。
まとめ
今週の新機能は、Experimental 26H2のBuild 26340.9843に集まっています。Beta・26H1・Future Platformsの4本は、26H2の機能を移植したものが中心です。自分のチャネルのビルドが届いたら、どの機能が入ったかを確認する程度で大丈夫です。
どの機能も段階的に配信されるため、すぐに表示されない場合があります。正式版への反映もあわせて追っていきます。
参考
- Announcing new builds for 30 October 2026(Windows Insider Blog)
- Beta Build 26220.9836 リリースノート
- Experimental Build 26340.9843 リリースノート
- Beta (26H1) Build 28020.3382 リリースノート
- Experimental (26H1) Build 28120.3393 リリースノート
- Experimental (Future Platforms) Build 29698.1000 リリースノート
- フィードバックHub リリースノート(2026年10月)
- Flight Hub
- Windows 11 リリース情報